2020 揖斐谷の春



自宅から徒歩圏内(というか最短は徒歩10秒)の狭隘な村で、
3~4月に撮影した画像のいくつか。
普段見向きもしないような春の花でも、今春はことのほか愛おしく感じる。
いつもの花たちと今年も出会える、それだけで何もいらない。






深山方喰

いつもの山の、いつもの場所。
真っ赤な方喰を見つけ、「深山」はこうでなくっちゃと一人で興奮。
他人には見られたくない体裁。
カタバミ科カタバミ属。

3月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







深山方喰

こちらは白花。
でもほんの少し赤みがかった色彩が美しい。

3月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







猩々袴の開花

今まさにお目覚め。
毎年たくさんの猩々袴と出会うが、開花直後にはなかなかお目にかかれない。
コケの緑色との対比が美しい。
スプリングエフェメラル(春の妖精)の一つ。
メランチウム科ショウジョウバカマ属。

3月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







猩々袴

こちらは受粉が終わった花。
雌しべにピントを合わせているが、実にピントが合わせやすい。
レフ機時代には考えられなかった操作性だ。

3月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







林床の芹葉黄連

春先に姿を見せた芹葉黄連。
キンポウゲ科オウレン属で、日本で自生するオウレン属にはキクバオウレン、セリバオウレン、コセリバオウレンの3変種が知られている。セリバオウレンは薬用植物である。
揖斐谷のセリバオウレンは自生地が限られている。今年は出会えるだろうかと、毎年びくびくしながら樹林の下を探す。

3月、α7M3 + FE 20mm F1.8 G。







芹葉黄連の両性花

萼の中から雌しべと雄しべが顔を出していることがわかる。

3月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







林床で日差しを浴びる芹葉黄蓮

こちらは雄花。

3月、α7M3 + FE 20mm F1.8 G。







ほんのりとピンク色

雄花。
雄しべがピンク色に染まり、美しい。

3月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







二輪草の開花

日当たりの良いこの場所から、いつも開花が始まるスプリングエフェメラル(春の妖精)。
例年に比べて1週間~10日ほど早い。
暖冬の影響がこんなところにも現れている。
それにしても、果たして冬はあったのだろうかと思う。
キンポウゲ科イチリンソウ属。

3月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







二輪草

咲き始めの二輪草は萼が赤く染まっていて美しい。
2つ同時に咲き始めないところが、またいい。
スプリングエフェメラル(春の妖精)の一つ。

3月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







紅白の深山方喰

白花といっても開花直後は赤みがかることが多い。
紅白両方が1枚に収まることは珍しい。

3月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







赤飛騨牡丹

伊吹山地東の西濃地方から養老山地、鈴鹿山脈にかけて分布する。
赤褐色、暗紫色の萼裂片をもっている。
ユキノシタ科ネコノメソウ属。

3月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







黄金猫の目草

以前に山を歩いていて出会った時の驚きを覚えている。
猫の目草に似合わず綺麗な色だったが、ほんの近所の谷にいっぱい咲いていることに気づいたのは10年ほど前のことだった。
毎年同じ場所で出会えることはうれしいことだ。
ユキノシタ科ネコノメソウ属。

3月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







春の日差し

冬らしくなかったこの冬で、桜の開花は早かった。
その代わりに春先の気温が低くて、花の季節は長かった。

3月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







碇草

碇草の開花も早かった。
揖斐谷では4月に入って花を見かけることが多いが、今年は半月早い開花。
メギ科イカリソウ属。

3月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







深山方喰

もう季節も終わりかな、と思ったら日当たりの悪い斜面に咲いていた。
この春もたくさんの方喰に出会えた。

3月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







山延胡索

早春の揖斐谷のいつもの場所で見られたスプリングエフェメラル(春の妖精)。
この個体はやや赤みがかっていて、紅紫色をしている。
ありふれているだけに撮影は難しくて、どう撮ったらいいのか毎年悩んで終わる。
ケシ科キケマン属。

3月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







碇草

この春は本当にたくさんの碇草を見た。
鮮やかな赤色から薄い赤紫色まで個体差がある。
今年初めて気づいた見事な碇草だったが、何と自宅から徒歩5分だった。

3月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







二輪草

林床の日当たりの悪い所では開花が遅れる。
二輪草3姉妹。

4月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







谷桔梗

花は5~6mm、背丈も5㎝ほどしかなく、うっかりすると見逃してしまう。
初めて気づいたのは7年ほど前だが、あまりにも小さくてどう撮ったらいいか迷って断念した覚えがある。
キキョウ科タニギキョウ属。

4月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







二輪草

開花後間がなく、まだ萼片も痛みが見られず初々しさが残る。

4月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







黄華鬘

あまりにもありふれているため、これまでちゃんと撮ろうとしてこなかったように思う。
この花に失礼だったかもしれない。
ケシ科キケマン属。

4月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







常磐碇草

太平洋側でよく見られる碇草と違って日本海側に多く生育する。
以前、ホハレ峠を越して門入まで歩いた時、黒谷で見かけた。
その時はさすが豪雪地と納得したが、揖斐谷でもこんな近くにあるとは知らなかった。
メギ科イカリソウ属。

4月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







枝垂れ桜

村に咲く桜。

4月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







花の横顔

二輪草の横顔。
花の終わりが近い。

4月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







桜道

近鉄バスが撤退して、後を継いだコミュニティーバスも廃止されたが、桜道だけは残った。

4月、α7M3 + FE 20mm F1.8 G。







垣通し

春も進むと一面に咲き始める。
やや湿った所に多く、子どもの燗の虫に効くとされることからカントリソウとも呼ばれる。
シソ科カキドオシ属。

4月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







紫華鬘

ケシ科キケマン属の植物で、やや湿った樹林の下に生育する。
この花もありふれたもので、積極的に撮影することは少ない。

4月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







二輪草

開花直後の若い花で、萼がまだみずみずしい。
中の雌しべを雄しべが取り囲む。

4月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







片栗

少し前にカタクリの葉があることに気づいた。
今年の開花はまだ無理かなと毎日立ち寄ると、つぼみをつけていた。
カタクリは種子から発芽、開花まで8年以上の長い年月がかかる。
スプリングエフェメラル(春の妖精)の代表で、葉が地上で見られるのはわずか2か月あまり。

4月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







片栗

よく咲いてくれたよなぁ、と声を掛けて撮る。
まさかこんな近場で、と。
ユリ科カタクリ属。

4月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







黄華鬘

崖を見下ろすと陽を受けて咲いていた。
例年はほとんど撮らない花だが、今年はよく撮った
ケシ科キケマン属。

4月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







樹林の片栗

また8年後に出会えるとうれしい。
それまで撮り続けていられるだろうかと、めっきり気弱に。

4月、α7M3 + FE 20mm F1.8 G。







二輪草

そろそろ二輪草の季節も終わりを迎える。
今年もたくさん出会えた二輪草。

4月、α7M3 + FE 20mm F1.8 G。







二輪草

揖斐谷の二輪草の最後に開花したばかりの個体を撮る。
また来年。

4月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







溝酸漿

6月に咲き始めることが多い溝酸漿。
まだ4月なのに、開花が始まった。
例年の花期は6~8月。
ハエドクソウ科ミゾホオズキ属。

4月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







馬の足形

馬の足形の中の八重咲きのものを金鳳花という。
春に通有に見られる。
キンポウゲ科キンポウゲ属。

4月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。







姫風露

伊吹山、鈴鹿山地、四国剣山の石灰岩地に隔離分布する姫風露。
ただ、これはおそらく観賞用の園芸種が定着したものかな。
フウロソウ科フウロソウ属。

4月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。










鵯1

けたたましい鳴き声に、目をこらすと鵯が新緑の中に顔を出していた。

4月、α7RM2 + E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS。







鵯2

顔を見ているとかわいいんだけれど、
畑の野菜や果物を食い散らすことは勘弁してもらいたい。

4月、α7RM2 + E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS。







家主

村の猫。
立派な家を独り占めして、他の猫の侵入を許さない面構え。
そこでにらみをきかせたんじゃ、みんな遠慮するよな。
仲良く入れてあげればいいのに。

4月、α7M3 + FE 90mm F2.8 Macro G OSS。